友達100人
小学生に上がる頃だか、その前だか、小学校での目標を決めるように言われたと思う。たしか「友達100人つくる」なんて目標がちらほらあがっていた。
それを見たとき、わたしには無理だろうなあと早々に諦めたことと、友達100人をつくれないだろう自分の価値を、自分で低いものにしたを覚えている。そうやってクラスの人気者をぼーっと眺めた。
外で、ジジババになってからも友達と旅行やお茶、買い物に出かける集団を見て、騒音とともに、「わたしはあの年になったとき、一人きりなんだろうか」とふと寂しさを覚えたことがある。
友達を作らなければと焦燥感に駆られ、同調、共感、集団行動を繰り返した。上っ面で。
上っ面は上っ面の関係で終わる。広くは浅くだった。
友達作りなんてものがなんだかどうでもよくなり、考えなくなってから、ポツリポツリと何かが強く繋がっていくような関係が増えた。過去の繋がりも、ポツリポツリとなにかが残っていくようになった。狭くは深くだった。
自分を素直に出して。あなたが思っているより、わがままになっても、周りはそれほどわがままで迷惑だとは思わないよ。と言ってもらえてからかな。
友達100人いることが凄いのは、他人が決めた幸福だ。狭くても、深くても、しっかりと大地に根付くような繋がりのほうがよっぽど好きだ。幸福だ。